■適用範囲拡大および品番「HD-LL」発売の背景
可燃性の配管等が建築物の防火区画となる壁や床を貫通する場合は、建築基準法に基づく国土交通大臣認定(以下大臣認定と略)を取得した「区画貫通部防火措置工法」で延焼防止処理をする必要があります。
また、一定規模以上の共同住宅(マンションなど)では、「区画貫通部防火措置工法」に対し、より厳しい延焼防止性能が求められ、消防法における共同住宅の消防設備設置基準に関連した省令・告示に適合することが必要となり、適合している工法に対して(一財)日本消防設備安全センターの評定(共住区画)(以下消防評定と略)などが発行されます。
「イチジカン-HOLD」はこれまで、外径48mm以下の配管に適用可能な大臣認定および消防評定を取得し、「HD-S」と「HD-L」の2品番で2006年9月に発売しました。それ以来、給水給湯管(さや管配管工法や発泡ポリエチレン被覆付樹脂管)や合成樹脂製可とう電線管などの防火区画貫通部に幅広く使われご好評いただいています。 「イチジカン-HOLD」の特長は以下の通りです。
- 配管にワンタッチで取り付けし、所定位置まで移動してから、開口と配管との隙間をモルタルで埋めるだけの簡単な施工
- 配管1本あたりに1個の製品を取り付けることによる、積算の省力化
- 2品番で幅広い配管外径(13〜48mm)に対応可能
- 壁片側、床上側からの施工だけで確実な延焼防止性能を発揮
「イチジカン-HOLD」発売以降、建築現場で新たに普及した配管への適用に関するお問い合わせを多くいただきました。特に配水用ポリエチレン管、給排水用硬質塩ビ管、ファンコイルユニット用やエコキュート配管用の発泡ポリエチレン被覆付金属強化ポリエチレン管(アルミ三層管)など、外径48mmを超える配管に適用可能な大臣認定・消防評定の取得ニーズが高まっていました。
そこでこの度、配管外径69mm以下の範囲で適用可能な公的認定を取得し、これに対応する品番として「HD-LL」を新発売いたしました。
施工方法は既存品番(HD-S・HD-L)同様、配管に取り付け、周囲をモルタルで埋め戻すだけの非常にシンプルで簡単なものとなります。特に製品長さ方向の片端に「波付形状」を設け、モルタル埋戻し時の目安がわかりやすくなりました。 |