1. 建築物とは?
土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するものをいいます。又これに附属する門や塀も含まれ、地下や高架に設ける事務所や倉庫も含みます。(建築基準法第2条第一号)
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2. 特殊建築物とは?
学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、市場、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、旅館、共同住宅、寄宿舎、下宿、工場、倉庫、自動車車庫、危険物貯蔵場、畜場、火葬場、汚物処理場その他これに類する用途を供する建築物をいいます。(建築基準法第2条第二号)
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3. 建築物の主要構造部とは?
主に、建築構造上から重要であるとされている壁、床、柱、はり、屋根、階段をいいます。(建築基準法第2条第五号)
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4. 延焼の恐れのある部分とはどの部分をいうのか?
隣地境界線、道路中心線又は同一敷地内2以上の建築物(延べ面積が500m2以内の建築物は、1の建築物とみなす。)相互の外壁間の中心線から、1階にあっては3m以下、2階以上にあっては5m以下にある建築物の部分をいいます。ただし、防火上有効な公園、広場、川等の空地若しくは水面又は耐火構造の壁に面する部分は除きます。(建築基準法第2条第六号)
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5. 耐火構造とは?
建築物の主要構造部のうち、耐火性能の技術的基準に適合する鉄筋コンクリート造、レンガ造り等の構造で、国土交通大臣が定めた構造方法を用いたもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいいます。(建築基準法第2条第七号)
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6. 耐火性能の技術的基準とは?
通常の火災において、非損傷性、遮熱性を有する事。屋内側からの火災において、遮炎性を有する事。これらの事を耐火性能の技術的基準といい、倒壊、延焼防止を目的としています。(建築基準法施行令第107条の一〜三号)
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7. 非損傷性とは?
構造耐力上支障のある変形・溶融・破壊その他の損傷を生じない性能をいいます。
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8. 遮熱性とは?
壁、床などの区画部材について、いずれかの面から加熱を受けた時に、加熱面以外の面に接触している、可燃物が燃焼しない、すなわち非加熱面側が、可燃物燃焼温度以上に温度上昇しない性能をいいます。
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9. 遮炎性とは?
屋内側からの火災で、屋外に火炎を出す原因となるき裂その他の損傷を生じない事をいいます。
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10. 可燃物燃焼温度とは?
加熱面以外の面のうち最も温度が高い部分が200℃、平均が160℃。(H12.5.31建設省告示1432号)
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11. 準耐火構造とは?
建築物の主要構造部のうち、準耐火性能の技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いたもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいいます。また準耐火構造は、耐火構造の下位の構造として扱われ、耐火構造を含んだ意味になります。(建築基準法第2条第七号の二)
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12. 準耐火性能の技術的基準とは?
耐火性能の技術的基準に準ずる基準が示されており、延焼抑制を目的としております。(建築基準法施行令第107条の2の一〜三)
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13. 防火構造とは?
建築物の外壁、軒裏の構造のうち防火性能の技術的基準に適合する鉄網モルタル塗、しっくい塗等の構造で、国土交通大臣が定めた構造方法を用いたもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいいます。また防火構造は、準耐火構造の下位の構造として扱われます。(建築基準法第2条第八号)
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14. 防火性能の技術的基準とは?
建物周囲における火災を想定し、延焼抑止を目的として、非損傷性、遮熱性を有する事をいいます。(建築基準法施行令第108条)
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15. 不燃材料とは?
建築材料のうち、不燃性能の技術的基準に適合するもので、建設大臣が定めたもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいいます。(建築基準法第2条九号、平成12年5月30日建設省(現国土交通省)告示第1400号)
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16. 不燃性能の技術的基準とは?
建築材料に、通常の火災による火熱が加えられた場合に加熱開始後20分間に、燃焼せず、防火上有害な変形、溶融、き裂その他の損傷を生じず、避難上有害な煙又はガスを発生しない事をいいます。(建築基準法施行令第108条の2)
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17. 耐火建築物とは?
主要構造部を耐火構造とし、且つ、外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に防火戸等の防火設備を設けた建築物で、国土交通大臣が定めた構造方法を用いたもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいいます。(建築基準法第2条第九の二号)
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18. 準耐火建築物とは?
主要構造部を準耐火構造とした建築物、且つ、外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に防火戸等の防火設備を設けた建築物をいいます。(建築基準法第2条第九の三号)
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19. 防火壁とは?
延べ面積が1000m2超の建築物は、防火上有効な壁で区画しなければなりません。これを防火壁といい、1000m2以内で区画しなければなりません。(建築基準法第26条、建築基準法施行令第113条)
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20. 防火区画とは?
建築物の火災拡大防止上有効な区画を防火区画といいます。耐火建築物、準耐火建築物は準耐火構造の床、壁、特定防火設備で区画しなければなりません。(建築基準法施行令第112条)
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21. 特定防火設備とは?
防火戸、ドレンチャー等の防火設備において、通常の火災による火熱が加えられた場合に、加熱開始後一時間当該加熱面以外の面に火炎を出さないものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいいます。(建築基準法施行令第112条第1項)
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22. 面積区画とは?
防火区画の分類の一つとして、一定の面積毎に設けることが規定されていますが、これを通称、面積区画と呼んでいます。(建築基準法施行令第112条第1項〜第4項)
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23. 竪穴区画とは?
防火区画内の吹き抜け、階段室、エレベーターシャフト、ダクトスペース等の部分を、そのほかの部分と分けるために、規定されていますが、この部分を通称、竪穴区画と呼んでいます。(建築基準法施行令第112条第9項)
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24. 異種用途区画とは?
一つの建築物の中に、劇場、映画館、マーケット、ホテル等、目的の異なる部分がある場合、これらをそのほかの部分と分けるために規定されていますが、これを通称、異種用途区画と呼んでいます。(建築基準法施行令第112条第12項、第13項)
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25. 高層面積区画とは?
11階以上の高層部分については特に厳しく面積区画が規定されています。これを通称、高層面積区画と呼んでいます。(建築基準法施行令第112条第5項〜第8項)
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26. 区画貫通部とは?
防火区画を、給水管、配電管、その他の管、ケーブル等が貫通する部分をいいます。(建築基準法施行令第112条第15項、同第129条の2の5第1項第七号)
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27. 給水管、配電管その他の管の区画貫通部の防火措置工法とは?
通常の火災の場合、非加熱側に火炎を出さないようにする為に、区画貫通部に防火措置を施す工法の事をいいます。(建築基準法第36条、建築基準法施行令第112条第15項、第129条の2の5第1項第七号)
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28. EPSとは?
竪穴区画の一部で、ELECTRIC PIPE SHAFT(又はSPACE)の略語です。東京都火災予防審議会では「電気配線シャフト」と統一して呼んでいます。
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29. BCJとは?
BCJとは(一財)日本建築センター、The Building Center of Japanの略称です。建築にかかわる研究・新技術の評価及び情報の収集と普及等を目的に1965年、建設省及び建築関連業界の支持のもとに設立された団体です。また、2000年6月に、建設大臣から指定性能評価機関として指定されました。
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30. BCJ評定とは?
建築にかかわる特殊な建築材料・構造方法に対して、建築基準法に基づき適正な技術的評価を行うために、BCJが各種委員会を設け、一定の基準をクリアーしたものに対して法と同等の性能があるものと評定します。ケーブル配線の防火区画貫通部の防火措置工法については、2000年3月まで防災性能評定委員会で技術的な評価が行われていました。
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31. 大臣認定とは?
2002年5月31日までは、区画貫通部の防火措置工法をBCJが評価・認定を行ってきましたが、建築基準法の改正に伴い、国土交通大臣により指定された指定性能評価機関において評価され、国土交通大臣により認定されることになりました。その防火措置工法を大臣認定と呼びます。また、ケーブル防災設備協議会会員社が2000年5月31日までに取得していたBCJ評定工法のほとんどは、大臣認定移行の手続きを終えており、大臣認定を取得した工法として引き続き使用が可能です。
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32. 防火区画に貫通されるケーブル記号の意味は?
防火区画に貫通される代表的なケーブルの記号は、次の通りです。 CV :架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル CVT:トリプレックス型(3心撚)CV VV :ビニル絶縁ビニルシースケーブル CVV:制御用ビニル絶縁ビニルシースケーブル IV :屋内ビニル絶縁電線 EM−IE(IE/F):屋内用耐燃性ポリエチレン絶縁電線 EM−CE(CE/F): 架橋ポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル EM−EE(EE/F): ポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル EM−CEE(CEE/F): 制御用ポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル
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33. ケーブルの占積率とは?
防火区画貫通部の開口面積に対するケーブル断面積総計との比率の事で、以下の式で求められます。占積率(%)=(ケーブル総断面積/開口面積)×100(注)トリプレックス型ケーブルのケーブル断面積を算出する場合には、各線心断面積を求めて、それを3倍して下さい。(包絡円径は使わない。)大臣認定工法では、付帯条件の最大の占積率が記載されておりますので、遵守の上、施工して下さい。
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34. ケーブルサイズとは?
ケーブルサイズは1心当たりの導体断面積で表され、単位はmm2になります。従って、CV 3×325mm2は325mm2の導体が3本使用されたケーブルになります。
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35. ケーブル導体の種類は?
ケーブルに使用される導体としては、銅、アルミなどがありますが、最近では、主として銅が使用されています。また、最近多く使用されている光ケーブルには、芯線としてガラス繊維が使用されています。
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36. 絶縁体とは?
絶縁体とは、ケーブル導体上に被覆された部分で、特性としては電気絶縁性能が必要です。主として、塩化ビニル系、ポリエチレン系、エチレンプロピレン系材料が使われています。
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37. 介在物とは?
介在物とは、ケーブルを丸く仕上げるために絶縁線心間に充填する材料のことです。主として、紙紐、ポリプロピレン紐、ジュートなどが使用されています。
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38. シースとは?
シースとはケーブルの最外層に施されたもので、絶縁体への外傷、浸水等を防ぐためのもので、防食層と呼ぶ場合もあります。主として、塩化ビニル系材料や、耐燃性ポリエチレンなどが使用されています。
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